ヤマハの「ナナハン」戦略第2号がGX750。
XS~TXとヤマハは4ストモデルは、
一貫して2気筒モデルでした。
そして新しいナナハンの選択は
なんと2気筒でも4気筒でもない、
DOHC3気筒という、独自なものでした。
さらに信頼性が高いシャフトドライブ。
ヤマハは、ロードモデルに初めて採用して、
メカニズムは、他のメーカーとは違う、
独自路線を追求していました。
ヤマハスポーツGX750 DOHC3気筒の個性派
エンジン:空冷4サイクルDOHC3気筒
排気量:747cc
ボア&ストローク:68.0×68.6mm
最高出力:67ps/8,000rpm
最大トルク:6.4kg-m/6,500rpm
始動方式:セル・キック
車両重量:232kg
タイヤ:F3.25-19 R4.00-18
価格:\489,000
マルチ時代の繁栄をあえて選ぶことなく
TX 750に与えられた洗練された4サイクル DOHC ツインは魅力でした。
しかしユーザーの望むべき答えとは異なっていたので、
ヤマハの真骨頂を果たすべく新たに斬新な機構を設けた、
スーパーモデルの検討が図られていました。
それで完成されたのが GX 750でした。
2気筒と変わらぬコンパクトの幅を持つ
120°クランク(燃焼タイミングは240°等間爆発)
の DOHC 2バルブ3気筒と、パワーの変化に影響されることのない
メンテナンスフリーのシャフトドライブ機構を選択しました。
3 in 1のマフラーと前後トリプル・ディスク・ブレーキが与えられていました。
フレームはパイプ製ダブルクレードル。
エンジンのマウントはクランクケース下方の2点支持となりました。
エンジンの出力はやや抑え気味、
ギクシャク感のないスムーズな出力特性を与えていました。
高回転域の伸びも良く、
4気筒でなければなどという、
無意味な印象はすぐに打ち消されてしまいます。
しかしこの優れたパワーユニットのフレームやマウント方式に影響されてか、
やや高速走行でフロントの落ち着きをなくしてしまう傾向が現れました 。
160 km 付近に近づくとフロントが軽くなり、
さらにスピードを上げて行くと直進の安定性を欠く不安さを感じさせました。
もっとも国内でこれだけの高速で走行できる公道はありませんが。。。
これはダンパーを与えることで、とりあえず解消されましたが、
ラバーマウントされたハンドルそのものに大きな大きな影響大いに影響されていました。
低振動化に様々な工夫が見られましたが、
高回転域で優れた動力特性を持つパワーユニットを持つだけに、
少々残念な印象もありました。
ただし、高速ツアラーとしては申し分のないモデルでした。
ヤマハスポーツGX750 1977年モデル
ヤマハスポーツ GX750 1977年モデルでは、
燃焼室形状の変更を施した新設計のパワーユニットに変換しました。
エキゾーストパイプも3 into 1から3 into 2に交換され、
点火系の改良も加え、
出力の向上を図られました。
それにより従来よりも7馬力アップの67馬力 と
ハイレベルなポテンシャルを身につけました。
この出力向上によりシャフトドライブ機構に起因する固有のトルクリアクションを生み、
特異なフィーリングをやや強める経過となりました。
ハロゲンヘッド・ライト、グラブバー付きシートなど、
装備の充実の他、3タイプのハンドルを用意していました