スポーツの世界でも
圧倒的で衝撃的なデビューで注目を集めるも
その後忘れられてしまうアスリートもいれば、
地味ながら長い間、
第一線で活躍を続けるアスリートいます。
今日紹介する、カワサキKH500は、
まさに500SSマッハⅢのデビューが
あまりにも衝撃だったので、
デビューから10年も経たないうちの消え去る運命は、寂しいものでした。
シリーズ名称もSSからKHで変更され、
エンジンもマイルドとなり、
サスやブレーキもZ系から流用していました。
マッハの獰猛さは影をひそめてしまったマシンです。
でも、遅れてきたオールド・ライダーの僕にとっては、
一度は乗りたかったマシンでした。
カワサキKH500 プロフィールとポテンシャル
カワサキKH500
1976年
エンジン:空冷2サイクル・ピストンバルブ並列3気筒
ボア・ストローク 60.0mm×58.8mm
排気量:498cc
最大出力:52.0ps/7,000rpm
最大トルク:5.40kg-m/6,500rpm
重量:192kg
最高速:—km/h
0-400:–.-秒
登坂力:–°
始動:キック 5速
タイヤ:F3.25-19 R4.00-18
価格\375,000
公害対策が社会的な問題となって
取り立たされてくると、
2サイクルに対する風当たりもきつく、
よりクリーンな燃焼が可能な
4サイクルに追い風が吹く様になってきました。
特に、大排気量モデルにあっては
4サイクルが主流となり、
2サイクルはもはや栄光の軌跡の中に
記すだけとなってしまいました。
500SSもすっかり穏やかな出力特性が与えられ、
スーパースポーツ・モデルの硬派な印象は、
既にバイクユーザーの視点からも外されていたのでした。
カワサキKH500の残るマッハシリーズのスピリット
しかし、KH500は、鋭い牙を落としてながらも、
バイブレーションとベアリングノイズを伴いながらの加速は、
フロント荷重の軽いハンドルと共にKH500に残された、
あのマッハの最期のスピリットを感じさせました。
ボトムニュートラル式のミッションは、
一般的な1ダウン・4アップに改められ、
500SS(1975年)から7psダウンの出力に、
エキゾーストノートも何か寂しげな響きを奏で、
ライダーもまたジェントルなライディングを心掛けることとなりました。
KH500を最期に、
マッハのパワーユニットは、
完全に栄光の彼方へと遠ざけられてしまったのですね。