オートバイ伝説 走り出せば青春

カワサキ650W1 ライバルは英国車から誕生して50年を超えて

1966年(昭和41年)、僕は小学校3年生になっていました。
円谷プロによるウルトラQが登場、今後の怪獣ブームの先駆けです。

僕が好きだったのが、サンダーバード。

 

サンダーバードが、事件現場に時間ちょうどに到着するところに痺れましたね。

なんか日本の習慣だと、時間前に到着するのが習いですが、

サンダーバードは、時間通りに到着するんですね。

 

出動を依頼したの人が、時間前に「サンダーバードはまだ来ないのか!」と

やきもきするのですが、サンダーバード2号が、時間通りに到着するんです。

 

そしてバージルが当たり前のように登場するんですが、

それが全くドライな印象で、日本と違うなって、いまになって思い返します。

 

さて、今日は歴的名車について記します。





カワサキ650W1が生まれた背景

 

1965年頃の日本は、50ccから250ccクラスの高回転・高出力の

スーパースポーツモデルが華々しい時代でした。

 

ところが大排気量のオートバイらしいオートバイが、

ほとんど輸入車で国産ではわずかなモデルしか存在しませんでした。

 

国内モデルでは、せいぜい、ライラック・マグナムか、

カワサキ500メグロ・スタミナK2、そして新参入のホンダCB450くらいでした。

ライラック マグナムR92

丸正自動車製造㈱
ライラック マグナムR92
エンジン:空冷4サイクルOHV水平対向2気筒
排気量:494cc
車重:188kg
最高出力:35ps/6,300rpm
最大トルク:4.98kgm/4,700rpm
最高速度:160km/h
始動:セル・キック 前進4段
ダイヤ:F3.25-18 R3.50-18
価格\258,000

 

 

ライラック最後のモデル。セルモーターを装備し、キャブが大経化されて、
塗色も新しくなったが、販売台数は伸びなかった。

 

カワサキ500 メグロK2

川崎航空機工業㈱
カワサキ500 メグロK2
エンジン:空冷4サイクルOHV2気筒
排気量:497cc
車重:210kg
最高出力:36ps/6,500rpm
最大トルク:4.20kgm/5,500rpm
最高速度:165km/h
始動:キック 前進4段
ダイヤ:F3.25-18 R3.25-18
価格\295,000

 

 

国内最大の排気量を誇ったOHVバーチカルツインエンジンを搭載。

このモデルではオイルポンプ容量の増大やパワーアップなどの改善が行われた。

 

このK2は、新時代へのモデルとして、K1エンジンとは別物と思える大改良を施されていました。

しかし、時代は既に市場の拡大を求め、海外へとその目標を移し始めてもいました。

ライバル車は、世界中を走り回っている英国車でした。

カワサキ650W1誕生まで

 

川崎航空機工業㈱
カワサキ650W1
エンジン:空冷4サイクルOHV2気筒
排気量:624cc
車重:199kg
最高出力:47ps/6,500rpm
最大トルク:5.40kgm/5,500rpm
最高速度:180km/h
始動:キック 前進4段
ダイヤ:F3.25-18 R3.50-18
価格\328,000

 

 

カワサキWシリーズの歴史を語る上で、

その原点ともいえる目黒製作所を語らない訳にはいきません。

 

目黒製作所は、1925年に創業し、自動車の修理や部品製作を手始めに、

37年には初のオートバイとしてメグロ号を開発しました。

 

戦後も500ccのメグロZシリーズなどを生産する、

という当時の日本では珍しい大排気量専業メーカーとして知られていました。

 

ところが、ホンダ、ヤマハなど戦後に創業した小排気量を得意とする

新興メーカーが力をつけるに従って業績が下降。

 

60年にはカワサキと業務提携をするものの、

結局64年にカワサキへ吸収されてしましました。

 

しかし、目黒製作所が積み重ねてきた大排気量車に

関するノウハウはカワサキで再び花開くときが来ました。

 

66年には。目黒製作所がその末期に開発したスポーツモデルの

メグロK1をベースに、それまでの2スト車を主力としていた

カワサキ初の4ストスポーツモデル・W1がデビューするに至ったわけです。

 



カワサキ650W1誕生以降

 

650W1は、メグロK1から排気量を拡大した624cc空冷OHV並列2気筒エンジンと、

英国車風の車体設計がもたらす重厚な乗り味やサウンドなど、

メグロの子孫らしい独特な魅力で多くのライダーの人気を集めました。

 

68年にはツインキャブ化でパワーアップしたW1S、

71年には英国式の右シフトを現代的な左シフトに改めたW1SA、

73年にはディスクブレーキ装備のW3と進化して行きました。

 

その後は、69年のホンダCB750FOUR、72年にカワサキ自身が開発したZ1と

いった新時代の4気筒スポーツ達の前では、旧式すぎて、その役割を終えました。

まとめ

 

74年に650RSW3-2が出てから時は流れました。

 

98年、戦前からの伝統を受け継いできたWブランドが、

ニューモデルW650として奇跡の復活を果たしたのです。

 

誕生から50年以上のカワサキのWシリーズは、オートバイ誌でも、

世代を超えた名車100選に選ばれています。

 



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